大和三山の一、天香山の山頂に鎮座。小山ながら古代より神聖な山と崇められ、高天原に見立てられていたように思います。当社は二社の式内大社の論社として挙げられています。うち天香山坐櫛眞命神社であろうとして、社名とご祭神が定められています。この櫛眞命については、｢延喜式｣に｢宮中坐神三座 並大｣として｢右京二条坐神社二座 並月次相嘗新嘗 太詔戸命神 久慈眞智命神｣と考えて間違いなかろうかと思われます。正史等には現れない神であるものの、おそらく｢龜卜｣にまつわる神であろうと。そして中臣氏に関連する神かと。ところが当社境内には｢波波迦の木｣があり、これは亀ではなく鹿の肩甲骨を焼いて占うという｢太占(ふとまに)｣に用いられる木。ただし平成の大嘗祭に伴う｢斎田定点の儀｣にあたり、当社の｢波波迦の木｣を用いて｢龜卜｣が行われたようです。

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