八王子神社 (菟田野平井) 参拝記録 (天地悠久さん)
宇陀市の山村集落「菟田野平井」に鎮座。標高400mほどの丘陵内。創建由緒不詳。八王子神を祀る神社に多い神氣の籠る神域、社頭案内は「幽境」と表現しています。当社には「人身御供」と称される神饌を供する例祭があるとのこと。近くの北東麓にある仏教施設には鬼と言われる役人が居て、人身御供をさせていたとか。その役人は殺され、首を当社境内に埋めたと伝わります。「人身御供」伝承は実際にはほとんど存在せず、民話世界に存在するもの。内容からしてやはりその一つかと。境内の狛犬は幕末名工、丹波佐吉によるもの。なかでも当社の作品は処女作ではないかと。宇陀の住人、平田彦八郎という者が西国八十八ヶ所霊場巡りを発願、その石仏群製作を佐吉に依頼。佐吉は10人ほどの弟子を引き連れ平田家で世話になりながら事業に取り組んだようです。嘉永五年(1852年)、佐吉37歳。平田家はこの「菟田野平井」にあり、村の鎮守社である当社に奉納されたようです。
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