大原神社 参拝記録 (天地悠久さん)
「丹波誌」によると、仁寿二年(852年)に「桑田郡野々村」(現南丹市美山町樫原)に鎮座したと(現地未確認、神社跡の有無も不明)。これは現社地より東方15~20kmも離れた地。こちらは「由良川」の本流沿いの地であり、現社地とはまったくかけ離れた地。この遷座に関しては謎。現社地への遷座は弘安二年(1279年)と記されているようです。ところが社伝においては、創建が大化元年(645年)、遷座が仁寿二年(852年)とされているようです。当社が式内社でないことから鑑みて、遷座は仁寿二年(852年)になされていない、もしくは社殿等の無い祭祀場のみだったように思います。そして社殿等が設けられ、神社として形を整えたのが弘安二年(1279年)ではないかと考えます。遷座理由について「大原神社本紀」という書に「天児屋根命が宮地を求めてここ大原山麓の水門の瀬に来られたときに、水底から金色の蛙が現れ、『私はこの水底に住んで長くこの山を守っており、峯には白幣・青幣があり、いつも光を放っており、まさに神が鎮座されるべき霊地であります』と頼んだと記されています」と。遷座時期が仁寿二年であろうと、弘安二年であろうと、仮に実在したのであれば弥生時代であろう天児屋根命をここに持ち出すのは時代錯誤かと思います。
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