丹生神社 (大日川) 参拝記録 (天地悠久さん)
「吉野川」の支流、「丹生川」沿いの山間部に鎮座する社。鎮座地は「大日川(おびかわ)」。五條市に編入されたものの、いわゆる「深吉野(みよしの)」かと。遥か川上に丹生川上神社 下社、川下に丹生川神社が鎮座、この二社はいずれも式内社。創建由緒については不明。原初は丹生都比売を祀る社であったのだろうと思います。これに関して「日本水神鉱業発達史」を引用する谷川健一氏は、「水銀鉱床は一般には浅い所にしかなく、また小規模にしか産出しないため、これを採りつくすと他所に移動するか、やむなくその場所にとどまって農業をするほかない。農業は降雨と密接な関係が生じるところから、水銀鉱山の神を祀った丹生神社も祭神を雨神または水神に変えるほかはなかった」としています。これはまさに当社のことかと。扁額には「正一位勲八等丹生大神」と記されますが、これは丹生川上神社 下社から高野山沙門春深寄進ものと伝わります。また干魃の際には下社から御神火を持ち帰ったとされるらしく、深い関わりがあるようです。急坂を登った先のご本殿背後には露出岩盤が見受けられ、信仰の始まりが窺えるもの。
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