春日神社 (室生向渕) 参拝記録 (天地悠久さん)
「室生向渕(むろうむこうぢ)」集落の最果てに鎮座する社。創建由緒については、春日神が常陸国から大和国へと勧請される際に休憩したという伝承を元としています。「続日本紀」には「鹿に水を飲まし給ひ後渕に向かふ」とあります。ところが現在は当社付近に「渕」と呼べるべき地は見当たりません。当地から南西1.5kmほどの同じ「室生向渕」内にある、「龍王ヶ淵」のことではないかとも考えています。ご本殿背後を中心に磐座が見受けられ、当社はその信仰を元にした社であろうことが窺えます。あくまでも個人的な推量ですが、「続日本紀」に記される「淵」とはやはり「龍王ヶ淵」のことであり、当地にも春日神遷座の何らかのゆかりの地であったのではないか、そしていつの頃からか伝承が錯誤してしまっているのではないか、以上のように考えています。
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